ちえりとチェリー」高森奈津美インタビュー

-まずは、全国上映・公開おめでとうございます。

ありがとうございます

-公開に際して一言、主演としてどのような気持ちで迎えられましたか?

実は、アフレコ自体はかなり前に終わっているんです。この作品は、これまでスローシネマで上映という形を行なっていて、今回、全国上映ということであまり実感が湧いていなかったのですが、私の周りの方に「映画館に行ったら予告で『ちえりとチェリー』の予告が流れてたよ!高森さんが出るんだね!」といってもらう機会が増えて、「あ、本当に全国でやるんだな・・・」というのがようやくジワジワと実感湧いてきました。

 

普段参加されている作品もそのような感覚が多いですか?

そうですね。私たち声優は、声を入れさせてもらったら、あとは仕上がりを待つということが多いので、『ちえりとチェリー』もですけど、観て知ってくださった方の反響で、ようやく私もいろんなことを実感することが多いなって思います。

『ちえりとチェリー』では、主演のちえり役を演じられていますが、改めて高森さんにとってどのような作品でしたか?

 

観る人の年齢によって印象が変わる作品だろうなと思っています。子どもが観たら、そんなにテーマは重く感じない、不思議なお話かもしれないけど、大人だったら何かを感じ取ることができる作品なのかな、と思っています。個人的には、親子で観ていただきたい作品です。親と子で感じ方は違うのかもしれないし、長尺の作品ではないのですが、この短い時間の中で、ものすごくいろんなことが詰まってる作品だな、と収録の時から思っていました。

 

― 収録の際は、どのようなことを意識されていたのですか?

 

まず、子供を演じることは難しいなっていうのは私の中にあったんです。「大人の私がうまく演じることができるのか、純粋な子供のちえり役を演じることができるのかという不安もありました。ちえりという女の子に対してどういうアプローチをすれば良いかなと考えていました。なので、実は今回の作品に私が声を入れる前に、よく子役さんの演技を見て、参考にさせて頂きました。

 

そうなんですね。子役の芝居を参考にするって、珍しい気がします。

あまりないかもしれないですね。収録当時、ちょうど子役さんが活躍されていたタイミングで、よくドラマで見ていたのですが「子役の女の子たちがどういう風な喋り方をして、どういう風な表現をするのかな」と、とにかく参考として見ていました。普段は、公園で遊んでいる幼い子供を観察することが多いのですが、この作品のお話をいただいてから、アフレコに臨むまでの時間を長くいただけていたので、どういう風に役を掴むかを考える時間があったこともあり、今回は「もし、ちえり役を子役さんが演じていたとしたら、どんな風になるのだろう」というような気持ちで演じ方を探っていました。

 

作品の中で、ちえりは、チェリーと話すことが多いんです。ある意味自分の世界の中でおしゃべりしているので、実はあんまり人間と喋っていない。作品の世界観やストーリーに合わせて、ちえりの声や話し方も変わると思っていたので、柔軟に役に合わせることを意識しました。

 

今回、“一般的なアニメーション”とは異なる‘パペットアニメーション’ということですが、パペットアニメーションならではの難しさはありましたか?

 

実は私がアフレコさせていただいた時は、絵コンテ撮で声を入れたんです。だから、アニメのアフレコに近い感じだったんですよ。パペットアニメとして仕上がったものを見させていただいたときは、とても驚いたんです。「パペットアニメーションってこうなるんだ!こんな雰囲気のある感じになるんだ!」って、多分視聴者さんと同じ気持ちで、新鮮に感じました。パペットアニメーションって子どもの頃に見ていたものでしか私の中の知識がなかったので、見てみると実写映画みたいだなって思って。

結構動きも細かいですよね。

 

本当にその時その時、環境の空気感とかがしっかりと出ていて、逆に絵だと出せないものがあるんだなって感じましたね。

 

私が印象に残ってるのは、納屋ですね。埃っぽさが凄かった・・・

 

そうなんです!すごいですよね、あの埃!私も「ずっと埃がすごい!」って驚いていました。なかなか絵のアニメーションでは出せないあの感じがたまらないですね。光の差し込む感じも本当に感動しました。

 

 今回の作品のキャストは、俳優さんや芸人さんが多いですが、普段とは変わった収録の印象でしたか?

 

変わりますね。とても新鮮な感じがしました。同じく主演でチェリー役の星野源さんが、作品の中ですごく自然に話しかけてくださるんです。私がアフレコに取り組む前のチェリーに対する印象は、「すごくお父さんっぽい。お父さんに近いのかな」って思っていたんですけど、星野さんの第一声を聞いたら、「チェリーへの接し方を変えたほうがいいのかも、もっとお友達っぽく接したほうがいいのかもしれない」と思ったんです。実際セリフを掛け合う方の感じを掴んで修正することは多いのですが、用意していった演じ方・声をいい意味で変えることができました。ちえりとチェリー、二人の掛け合いは親子というより大親友のような雰囲気を感じていただけると思います。

 

 

あと、個人的にすごく栗田貫一さんが演じられているねずざえもんが好きなんです(笑)アフレコでも、ちょこまかした感じというか忙しない感じで楽しかったですね!栗田さんには初めてお会いましたが、芸人さんと一緒に作品を作るって普段とは違った雰囲気で、刺激は多いなって思いました。

 

俳優、芸人、声優、と多様なキャストならではの作品というか。

 

そうですね。アニメーションのアフレコという意味では、普段とやっていることや、取り組むことは変わらないのですが、生身の人間らしい息づかいというか、実写感みたいなものは、このキャスト陣だからこそ強まるなと思います。芸人として活躍されているサンドイッチマンさんとか、歌を歌ってお芝居をされるなど俳優として活躍されている星野さんだったりとか、色んな方々の声が入ったことによって、いい意味でまとまり過ぎないお芝居になり、この作品が良いものになったなと感じます。私も今回のキャストの方々に影響されて、型にはまりすぎず、リラックスして臨めたので、良い相乗効果だったかもしれないですね。

 

― 高森さんが、印象に残っているシーンはありますか?

 

最後の、命の灯を繋ぐシーンですね。ネタバレになるので、実際に見ていただければと思っているのですが、最後すごくちえりが成長しているので、注目してほしいですね。ちえりは分かりやすい子で、話す相手によって態度とか心の距離が変わる子なんです。自分の想像の中での相手には、ものすごく近い距離でお話をするんですけど、最初に出てくる親戚の男の子たちとかはものすごく心の扉を閉めているというか。

 

― 最初そうですよね、あのシーン。

「バカで無神経!」っていうシーンですね(笑)お母さんとも上手にお話しできていなかったので、そういった意味では最後はすごい大人になった、急にお姉さんになったなって。この1日ですごい体験をしたので、ちえりにとっての大冒険の日だなって思うんです。「毎日、毎日、人は変わっていくんだよ」っていうメッセージが伝わると思います。

 

 

ちえりがその1日で感じていたものを、見てくださってくれた方も同じように感じていただければ、私も嬉しいですね。お父さんお母さんのほうが心に響く作品なのかもしれないです。小さい子がどんな風に見てくれるかも楽しみですね。

 

私が見ても“どんどらべっこ”(作中に登場するキャラクター)は怖いですけど、子どもが見たら怖さが違うんだろうなって(笑)子供の頃、わからないものへの怖さとかありましたよね。「部屋の隅が怖かったな・・・」みたいな。そういった体験を思い出させてくれるかもしれませんね。

 

― 幼い頃、何が怖かったですか?

 

私は子供の頃、押入れとか、狭くて暗いところは怖かったです(笑)天井の隅も怖かったな。今回は田舎の親戚のおばあちゃん家が舞台ですけど、私も仏間に飾ってある写真とか怖かったですね。

誰しもあるような体験ですね。

そうですね。作品を通して、親近感はすごく湧くかもしれないです。

なるほど。それでは最後に一言、この映画をこれから見る方へメッセージをお願いします。

 

そうですね。おひとりで観に来てくださってももちろん嬉しいんですけど、親子であったりとか、お友達とであったりとか、何か一緒に感想を「こういう映画だったね」という風に話をしあえるどなたかと観に来てくださることがぴったりだなって思っておりますので、是非大事な方と一緒にこの映画を観に来ていただけたらと思います。テーマは深いけど、決して重くはないですし、

本当にこういう風に「田舎のお家に行ったな・・・」とか、色々な形で自分の子ども時代が掘り返される、「田舎の本家ってこんな感じだったな」っていう自分の子どもの頃の思い出とか、子どもの頃「こういうことが怖かったな」とか、「ぬいぐるみ大事にしてたな」とか、観てくださる方とちえりと重なる部分も多いと思います。是非、劇場に足を運んでみてください!

 

 ありがとうございました。

 

STORY 誰もがみんな、いのちの火を持っているー

ちえりは小学6年生の女の子。幼い頃に父を亡くし、母親と二人暮らし。そんなちえりの唯一の友人は、蔵で見つけたボロボロのぬいぐるみ“チェリー”で、ふたりはいつも一緒にいた。ある日、久しぶりに祖母の家を訪れる。そこでちえりを待ち受けていた事とは・・・。空想と現実の狭間で、不思議な冒険が始まる!

キャスト(声の出演):高森奈津美、星野源、尾野真千子、栗田貫一、田中敦子、伊達みきお(サンドウィッチマン) 、富澤たけし(サンドウィッチマン)ほか

原作・監督:中村誠  脚本:島田満、中村誠 キャラクターデザイン:レオニード・シュワルツマン、伊部由起子 音楽:大谷幸 主題歌:Salyu「青空」(TOY’S FACTORY) 製作:「ちえりとチェリー」製作委員会(フロンティアワークス、東映アニメーション、ギャガ) 配給:フロンティアワークス 配給協力:イオンエンターテイメント

2/15(金)より全国のイオンシネマにて2週間限定ロードショー!(一部劇場を除く)

上映時間:54分 Ⓒ「ちえりとチェリー」製作委員会 www.chieriandcherry.com

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